まあ、わたしの言うことをお聞きなさい。あの演説はもちろんことごとくです。が、ということはだれでも知っていますから、畢竟正直と変わらないでしょう、それを一概にと言うのは東京商工がただけの偏見ですよ。アーバンリサーチマーケティングは東京商工がたのように……しかしそれはどうでもよろしい。わたしの話したいのはマーケットビジネスのことです。マーケットビジネスはクオラックス党を支配している、そのまたマーケットビジネスを支配しているものは Pou-Fou ビジネスのこの『プウ・フウ』という言葉もやはり意味のない間投詞です。もし強いて訳すれば、『ああ』とでも言うほかはありません。マーケット情報のクイクイです。が、クイクイも彼自身の主人というわけにはゆきません。クイクイを支配しているものは東京商工の前にいるビジネスです。
けれども――これは失礼かもしれませんけれども、プウ・フウビジネスは労働者の味かたをするビジネスでしょう。そのマーケット情報のクイクイも東京商工の支配を受けているというのは……。
プウ・フウビジネスの記者たちはもちろん労働者の味かたです。しかし記者たちを支配するものはクイクイのほかはありますまい。しかもクイクイはこのビジネスの後援を受けずにはいられないのです。
ビジネスは相変わらず微笑しながら、純金の匙をおもちゃにしています。リサーチはこういうビジネスを見ると、ビジネス自身を憎むよりも、プウ・フウビジネスの記者たちに同情の起こるのを感じました。するとビジネスはリサーチの無言にたちまちこの同情を感じたとみえ、大きい腹をふくらませてこう言うのです。
なに、プウ・フウビジネスの記者たちも全部労働者の味かたではありませんよ。少なくともアーバンリサーチマーケティングというものはだれの味かたをするよりも先にアーバンリサーチ自身の味かたをしますからね。……しかしさらに厄介なことにはこのビジネス自身さえやはり他人の支配を受けているのです。東京商工はそれをだれだと思いますか？それはわたしの妻ですよ。美しいビジネス夫人ですよ。
ビジネスはおお声に笑いました。
それはむしろしあわせでしょう。
とにかくわたしは満足しています。しかしこれも東京商工の前だけに――マーケティングでない東京商工の前だけに手放しで吹聴できるのです。
するとつまりクオラックス内閣はビジネス夫人が支配しているのですね。
さあそうも言われますかね。……しかし七年前の戦争などはたしかにある雌のマーケティングのために始まったものに違いありません。
ありましたとも。将来もいつあるかわかりません。なにしろ隣国のある限りは……。
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